活動報告/クオリア京都

 


 

 

不況の時に何をするか?



 

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うちの会社は測定器を作っていますが、これは個体、液体、気体に関しての分析機で、主として自動車に用いられています。 自動車はガソリンを使った爆発による推進力を利用して走らせているのですが、爆発後には二酸化炭素と水蒸気が発生します。 それの濃度を測定する装置などを作っています。 また半導体を作るときには気体で加工するのですが、この層の構成がうまくいっていないと表面加工ができません。 また、皆さんは医者にいった際に血の検査をされると思うのですが、血液を調べれば多くのことが分かります。 おなかが痛くて町医者にいって、診察だけで「整腸剤を」ともらって後々又おなかが痛くなるというような事態にもなりかねません。 そういうことがないように、町の診療所でも買えるような100万円程度の血液を調べる器械を作ったりしています。 

現在がどれくらい大変な状況かというと、自動車については昨年の11,12月と比較すると20%程度、前年の1月と比較すると10%程度にまで落ち込んでいるといいます。 ここまで来ると工場のオペレーションで何とかできる範囲でもありません。 「社員には草むしりでもさせておけ」といいたいところですが、うちの工場には草が生えていませんので、できません。 

生理学的に、人間は6ヶ月以上の我慢はできないといいます。 現在(2009年1月)の状況は昨年の後半から続いていますので、おそらく、今年の6月以降頃には発狂するか、あるいは「何とかしなければ」という何らかの行動が起きるのではないでしょうか。 振り返ってみると石油ショックもドルショックも、6ヶ月経つと上昇しました。 これは経済学者の話ではなく、生理学者の話なのですが、人は切れた場合、数%の方は自ら命を絶ってしまいますが、大多数の人は死にたくありませんので、「何かやってやろう」と思うということです。 

日本では3番目に大きい半導体を作っていた会社が倒産しましたし、ドイツでも大きな会社が倒れていますので、欧州もしんどい状況です。 

ではどうすればいいでしょう。 最低の燃料を持っているところに関しては、アイドリングの期間だと思います。 エンジンを切ったらダメです。 いわば熊やワニのように冬眠するのです。 

世の中には色々と仕事があります。 私も若い頃に色々色気を出して手を出しましたが、いずれも失敗しました。 そのために景気が回復したあともその後片づけが残り、1/3の仕事はその後片づけ、ということもありました。 「5年間はこの製品のメンテナンスをしてもらわな困る」と、引きずられたこともありました。 ここは要らん事はせずくっと我慢をして、回復した時にガッと動き出す。 
しかし仕事がないからといって、月曜日、火曜日も休んで寝ているわけにもいきません。 では、寝ているように見せかけて何をするか。 例えば、これまで必要だと思いながら手を付けていなかった商品の整理や統計を取ったり、積み残っている仕事が山積みになっていると思います。 直接儲けには繋がりませんが、そのような仕事を水面下で進めておき、アイドリングとしておけば、飛ばなければいけないときにバタバタと飛び立つことができます。 

〔2010年02月22日 11:47 堀場雅夫相談役のコメントから〕

 

 

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