急に冷え込みが強くなり本格的な冬ももうそこまで来ている...、そんな日となりましたが、今日もたくさんのご参加でお送りいたしました「第5回クオリアAGORA 2015」、おかげさまで今回も有意義な時間を共有でき、これも皆様方のご支援によるものと心から感謝いたしております。
パリでの同時多発テロの震撼冷めやらぬ昨今、西欧の近代産業革命により、これまで物質的豊かさを享受してきた私たちですが、21世紀に入り世界各地でその矛盾や綻びが目立ち始め、このままでは遠からぬ将来に文明社会そのものが破綻してしまう恐れも否めない時代となってしまいました。今回のクオリアAGORAでは、私たちに突き付けられた課題、「持続可能な社会の実現」とはどういったものなのか、それを考えるため、環境考古学のパイオニアで文明の衰退と自然環境との関係を研究されている立命館大学環太平洋文明研究センターの安田喜憲センター長にお越しいただき、西欧文明に代わる新たな文明を切り拓く方策について話し合ってみました。
まず安田先生に、「西欧の考え方は畑作牧畜民としての価値観の上に成り立っている。それに対し、本来、私たち日本人を含む東洋的な考え方は、稲作農耕民の価値観の上に成り立っている」とのお話しいただき、その違いについて、歴史的な観点も踏まえ、こと細かにご説明いただきました。
続いてのレギュラーディスカッサントを交えての討論では、西欧と東洋の違いは、勝ち負けなどコインの裏表のように白黒はっきりつける考え方と、「じゃんけん」や「三すくみ」、また「三方良し」に表現されるように、曖昧さやバランスの上に成り立つ、「調和を重んじる」考え方との違いである。そしてその西欧文明はそろそろ限界にきている、それらを打開するには東洋の考え方、ことに「和」を重視する日本の考え方を見直すべきではなかろうか。これまで敗戦国である日本は、西欧文化を取り入れ、また教育などにより西洋的なものに憧れてきたが、それらが現実破綻しかけている今、実は私たちの足元にある日本文化の中にこそ、次代を切り拓く、持続可能な社会を構築する「ヒント」があるのではないかと話が進んでいきました。
ワールドカフェではそれを発展させ、「企業が西欧的な考え方から東洋的な考え方に変化するにはどのようにすればよいであろうか?」等をテーマに、参加者全員で真剣に話し合ってみました。(詳細は後日ホームページ上にてご報告いたします。)
お忙しい中お越しいただきました安田先生にはこの場を借りまして厚くお礼申し上げさせて頂きます。ありがとうございました。
4年目を迎え、より一層熟成しこの京都の地から新しい時代を切り開いて行く...そんな力になることを目指し、クオリアAGORAは邁進してまいります。どうぞ変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
≪第5回クオリアAGORA 2015 WEBフォーラム≫
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※WEBフォーラムへはどなたでもご自由にご参加いただけます。
2015/11/26 (23:53:28)
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クオリア京都とは?
人間ひとりひとりの深く高質な感性(クオリア)に価値を置く社会、これは各人の異なる感性や創造性が光の波のように交錯する社会ともいえます。
京都からその実現を図ろうと、各種提言や調査、シンポジウムなどを開催した京都クオリア研究所ですが、2018年に解散したため、㈱ケイアソシエイツがその精神を受け継いで各種事業に取り組んでいくこととなりました。
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