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第1回クオリアAGORA 2015/ワールドカフェ



 


 

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ワールドカフェ

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ワールドカフェ


細胞を見るではなく、細胞の声を聞くとは何か、私たちが直面している多様性を認め、多様性のある社会を築くには、をテーマに参加者全員でワールドカフェを行いました。 


≪ワールドカフェとは?≫


[ 各グループのまとめ ]



●1第グループ 報告者  辻村 知夏 (京都市立芸術大学)


このテーブルには、2人大学生がいまして、教養オフというかボーダレスというか、分野を限定しない学びっていうのが重要だよねというところから入って話を進めました。 でも、実際、今の大学って、実用っていうか、実際に使えるかどうかみたいなところに行ってるのじゃないのという話になりになりました。 それで、例えば、芸大ではこんな勉強をしてますっていうお話をしました。 その中で、「声を聞く」ってどんなことかを話しあったんですね。 うちは、彫刻で、粘土をやっているんですが、「彫刻が立ち上がる」っていうことについて、頭ではこうしたら彫刻は立つだろうってわかっていても、できない時がある。 そういう時に、声を聞く必要があって、感覚的な部分、言葉じゃない部分でなにかつかむというか、その感覚が、最近、悩みでもあり、面白いところでもありますと、自分のことを話しました。 それで、学ぶことについても「面白ければ、それでいいよね」とか出て、「遊び」ってキーワードが、重要かなと思いました。 たまたま、きょう、大学の授業でも、遊びっていうキーワードがでてきて、このことももっと話をして共有したいのです。 





●第2グループ 報告者  佐々木 勇輔 (京都大学大学院思修館)


「ワクワクすること」「気づきとは何か」というのを、このテーブルでは話しました。 私が気になったのは、仕事をしている中で、ワクワクすることって何だろうということで、これを聞いてみました。 営業をなさっている方がおられたのですが、その方は、今までは、モノを売ることでワクワクしていたが、ハード面からソフト面へと時代の流れが移っている中で、現在は、サービスを売ることでワクワクしているという話でした。 つまり、これまでは、いいものを、なるべくたくさん売ろうとか考えていたが、今度は、サービスで、どれだけお客さんと信頼関係を作って営業をしていくか、そういう新しい仕組みをつくりながら仕事をしていくことでワクワクしているということでした。 私は、まだ、仕事をしたことがないので、こんな話を聞いて興味がわきワクワクできたかと思います。 


高田 公理 武庫川女子大学教授


少し補足すると、今の話に出てきた「営業をなさっている方」というのは、ある会社の社長さんなんです。 で、彼は、あえて誤解を恐れずにいうと、納入した機械が壊れるのを待っておられる。 いや、納入した機械が壊れたら、納入先の人が気づく前に、その実情をモニターできる仕組みを作っておられるので、その納入先に電話をかけて、「おたくの機械、壊れてまっしゃろ?」と伝えて、すぐに修理に向かうのだというわけです。 その瞬間に、先方は大喜びしてくれる。 つまり、「モノを売る」より、その「モノのメンテナンス」という「ソフト」こそが、今や大事な商品なのだと考えておられるわけです。 むろん機械が壊れるのはマイナスです。 でも、こうしたソフトのサービスで担保しておくと、その「マイナスがプラスに転化する」――そういう話を紹介されたという次第です。 


荻野 NAO之 写真家


うちの父はニッサンに勤めていたんですけど、ずっとトヨタに負けてて、何でなんだってことで調べたんですね。 トヨタの車は昔壊れた。 しかし、壊れることを前提に営業マンがしっかりやって、サポート体制をやって、どうやって壊れないようにしようかってやったら、いつしか車は壊れないものができるようにみんななった。 その時、トヨタの営業力とサポート力で負けた、と言っていました。 







●第3グループ 報告者  池田 達哉 (サンスター財団)


「社会の声を聞く」ということで話し合いました。 いろんな意見が出て、まとめるのが難しいのですが、ちょっとまとめてみます。 恐らく、江戸時代、明治維新前ですね。 この時代というのは、一人一人が、士農工商の制度の中で、何か家業としてどこかに所属していただろう。 多分、農業が多かったろうと思います。 農業には、農繁期と農閑期とがあるんですが、その世界の中で、忙しい時には農業をし、暇な時には、日常で使う器や着物を作っていたりしていただろう。 これ、恐らく柳宗悦さんがいう民芸の世界だろうと思います。 そういうことを自然にやっていると、四季がはっきりしていて、季節の仕事もはっきりしているから、恐らく、今蔓延している鬱とか精神的な病気にはならなかっただろうし、生活は貧しくても、精神的には豊かだったのではないかと思われます。 山には山の神がおり、海には海の神がいる、という、自然志向というんでしょうか、そういう志向の中で日本の文化はできてきたんじゃないか。 ということで、今の生活をリセットして、昔に一度戻ったらどうか、ということでまとめてみました。 


荻野


昔にもどる、そうですね。 ある釜師さんと対談したことがあるんですが、すごいんですね、火を起こすのが得意とおっしゃるんですね。 どんな湿ったところでも、ちらっと火が起こせる。 素敵だなあと思うと同時に、自分も火ぐらい起こせないと、思ったものでした。 





●第4グループ 報告者  高崎 泰斗 (京都大学医学部)


まず「対話」についてです。 だれもがモノと対話できるわけではないのではないかと申し上げました。 まず、データですね。 研究者が、データを何も考えずに取った時に、異状が出た時も、ちゃんと集中してやってなければ気づきを得ることがないんじゃないか。 それと、若いと気づきが得られにくいんじゃないか。 


じもう一つ、経験則ってのが重要なのじゃないか。 教授の方は、何万冊の中から1冊の本をパッと当てられる、と。 それ、本との対話、本が自分を呼んでるんじゃないか。 そういうことがあるんじゃないかという話をしました。 それの関連で、それは対話の蓄積であったり、キーワードとして「違和感」というのがあったんですが、違和感がどんどん蓄積していって、だんだん対話が広がるんじゃないかという意見も出ました。 


あと、日本文化を外国の人に紹介するっていうことも話しました。 その中で、ドラッカーが、日本美術を見た時に、ものすごく衝撃的な体験、「正気に戻る」っていう体験をされたらしいんですけども、文化っていうのは、受信者が必要なわけなんですけども、受信者ってのが発信者になり、発信者がまた受信者になるっていう、そういう複雑な関係の中で文化っていうものは生まれてくるのではないか、という考えも披露されました。 


上田 源 (同志社大学)


高橋先生がおっしゃっていたのは、「自分がやっているのは人形遊びじゃないか」ということでした。 例えば、リカちゃん人形でやるような対話というのは、自分自身の中身のペルソナのもう一つの投影なんです。 つまり、自己の営為に対してのA'の人形に投影しているだけなんです。 でも、先生のおっしゃっている細胞との対話というのは、AとAXの対話なんですね。 まったく次元の違うものの中で語られているっていうことで、そこが、人形との対話と違うんじゃないかと言ったんです。 









荻野


最後に高橋さん、きょうの感想なりを一言。 



高橋 淑子 (京都大学大学院理学研究科教授)


きょうは、細胞の声を聞くということでお話しさせていただきましたが、まさに、多様性というものを痛感しました。 それは、どういうことかというと、討議をしたり、このワールドカフェでワイワイやっている中で、皆様なりに細胞の声を聞き、モノの声を聞くという視点と、それから、そこで、ご自分が何を思っておられるかということが、よくわかったからです。 私は、ただ単にずっと細胞の声を聞いて自己満足だったことが、ああ、こういうふうなことに置き換えられるんだということを、きょう、この会で勉強しました。 これ、お世辞じゃなくて、スピーカーをやって、こんなことになるとは思わなかった。 ほんとに嬉しいです。 


きょうの細かい話なんか、もう忘れてください。 もっと、いろいろな声を聞いてください。 でも、やっぱり、まあ、最初は、隣の人の声なんでしょうかね。 


ただ、一つ肝心なことは、自分の「思い入れ」―とにかく執念を持って何かをつかむんだっていう人が、相手のものの声を聞ける。 これって、何か皆さんにも共通ではないかと思い、私は格好いいと思っています。 /p>



≪続きはWEBフォーラムで…≫

 

 


 

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