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第3回クオリアAGORA 2015/ワールドカフェ



 


 

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ワールドカフェ

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ワールドカフェ


超大国アメリカは、20世紀、映画という武器を使って「変革」を進めた。 ソーシャル・チェンジに直面している今、私たちは主体性をもってどのようにソーシャル・チェンジを起こしていくか、今回も活発な意見交換が行われました。 


≪ワールドカフェとは?≫


[ 各グループのまとめ ]



●1第グループ 報告者  絹川 香月 (同志社大学4回生)


私たちのグループでは、社会を変えてきたものの原体験について、まず話し合いました。 具体的には、スマートフォンの登場であったり、高校生の時に飛行機に乗った時の経験とか、テレビや映画などの画質の向上、ワールドワイドウエッブの登場などみなさんからたくさん印象に残っていることを紹介していただきました。 戦後、カタカナからひらがなに変わったというのも鮮烈に覚えているというお話もありました。 私自身は、まだあまりチェンジを経験することなく生きてきたのですが、最近、私の下に、私は知っている記録媒体のVHSですとかMDを知らない世代が出てきて衝撃を受けたので、それを報告させていただきました。 


そのあと、30年後に、ソーシャル・チェンジを起こしそうなものは何かということも話し合いました。 私は、「浮島」の技術を確立するのはどうかと提案しました。 温暖化の海水上昇などで沈みそうな島を救えるのではないかというわけです。 後は、バイオ技術を生かして再生医療が進歩しているんではないかというのも出ました。 


この他、気候変動に対してもなにか新しい技術ができるんじゃないかなということで、雨雲を散らすとかいうことですね。 それから、バナナの皮で核融合をおこすとか、宇宙エレベーターができているんじゃないかというのも出てきて、これは実現できるというんで、具体的な技術まで教えていただき、一同、感心して聞いていました。 





●第2グループ 報告者  山本 勝晴 (浄土宗西山深草派 僧侶)


私どものテーブルでは、どんなソーシャル・チェンジがあったかということを話しました。 やはり、最近では通信機器の氾濫と3・11東北大震災、この問題が大きかったではないかということになりました。 


通信機器の氾濫は、社会現象になっています。 ケータイ、スマホが個別のコミュニーケ―ションを可能にしたんですが、この登場によって、日本がこれまで大事に守ってきた村社会というか、個は集団の一員であるという構図が崩れてきたんですね。 大きな問題です。 


もう一つ、3・11ですが、津波災害で、急に大災害が起こって、命がなくなる、財産が失われるっていうことで、「人生、お金やないよ。 もっと他に大事なものがあるんじゃないか」という考え方が、この通信機器の流れも合わせて、すごく大きく広がったんじゃないか。 そこから、人々の心の中に変化が起こっていったんじゃないか。 


それで、ぼくは僧侶ということもありまして、最近、「お坊さん大変や。 もうお墓いらんよ」、っていわれたら、食いっぱぐれやな、という話も…。 というのも、そういう社会変化の背景に、死生観の変化もあるんじゃないかということなんですね。 考えてみると、これまで、団塊の世代の人たちが、先頭に立って頑張ってきたんだけど、そろそろ、その人たちが新しい価値観をださなあかんの違うか、という話で終わりました。 







●第3グループ 報告者  絹川 温子 (京都学園大学学長秘書)


最初、京都は、進んだり、また元に戻ったり、そういうカウンターバランスのあるところだなというお話をしました。 次に、ちょうど団塊の世代の方がいらっしゃったので、大きな変化があったのかお聞きしてみました。 人生観が変わりそうな体験はなかったとのことでしたが、岡田先生は、50年も生きていると、急に9・11があったり3・11があったりして、やはり、世の中が変わるようなことは起こっているんじゃないだろうかということをおっしゃいました。 


その後、直面しているソーシャルチェンジとして出たのは、SNSです。 今、急速に発展してきているんですが、使い方も想像以上のものであり、誰も考えていなかったようなことがいっぱい起こっています。 さらに大きな社会変化では、これから、原発も含め、地球全体の存続が危ないようなことが起こりかねない時代になっているという話になりました。 例えば、テロリストの世界観は、地球が終わってもその後に幸せがあると信じている人もいると思うので、想像を超えた危ないこともおこりうるなあ、、と。 


それから、教育の問題。 今、情報・知識が増え、考えない人間が増えているということをおっしゃる方もいらっしゃいました。 


環境や医療については、神様が持っていたような権利を人間がコントロールするようになってきている。 それで、2045年の人工知能問題っていうんですか、人間の文化をすべて外に貯めておくことができるようになり、人工知能が判断するだろうっていうことで、例えば、病気の判断もしたり、さまざまな職業がコンピューターにとってかわられたりとかするようになって、、、などいろいろ話し合いました。 人工知能については、人間というものが、それに対してどういうふうに対応できるか、まだ誰も心の準備も用意もできていないんではないだろうか?ということで終わりました。 





●第4グループ 報告者  磯部 洋明 (京都大学大学院思修館准教授)


ソーシャル・チェンジのことより、村田先生がいらっしゃったのでついつい楽しい映画の話をしてしまいました。 特に、中国がどう描かれるかという話なんですが、じゃあ、イスラムはどうかヒスパニックはどう描くかという議論になりました。 やっぱり、イスラムはいろいろ難しい所があり、ヒスパニックはライジングマジョリティーであるということで、なかなかきつい描き方はできないという話。 それで、ソーシャルチェンジなんですが、やはり、人口動態の社会的勢力の変化みたいなものが影響しているなあ、と。 人口動態の変化がソーシャル・チェンジをわれわれに迫る、というような議論になったと思います。 人口動態が変わることは10年、20年間先、みんなわかっていて、みんな議論していて、だれも「こうだ」とは思っていないわけですよね。 だから、多分、何かすばらしい叡智が出るとは思えなくて、マクロな財政的なところはカタストロフにならないようギリギリのところで抑えつつ、目の前でできることの改善を積み重ねていくことが実際には一番変化に対応していくことかなという結論になりました。 









荻野


岡田さんと村田さんに最後に一言お願いします。 



岡田 暁生 (京都大学人文科学研究所教授)


国の体外的なプラスの文化イメージというものを、芸術媒体でもって世界に浸透させるっていうことは、軍事力とほとんど変わらないぐらいな武器であると思います。 つまり、アメリカは、大概な独裁国家、大概ひどいことをやってる国であることは間違いないけれども、ソ連、ナチスはこういう文化的プロパガンダに成功しなかったんですよね。 これは、アメリカとの差であるなあとあらためて思いました。 というわけで、やっぱり、日本の大学から文化系は、もういらんというのは、とんでもない話だ。 「ルーズベルトを見てみろ。 お金がない時こそ、ブロードウェイとか芸術振興をやったやないか」と、微力ながら声を大にしていきたいですね。 




村田 晃嗣 (同志社大学学長)


ありがとうございました。 大変興味深く参加させていただきました。 映画の話をしたので、さっき岡田さんがいわれたことを引き継いで言いますと、映画が、「賤業」と思われていたことが大きくて、だから、アメリカ社会の中で、東欧系とかユダヤ系とかマイノリティーとかニューカマーズが参入してきて、いろんなものがいるという多様性がアメリカの映画の活力になっているんじゃないか。 そういう意味で、われわれの社会でも、どれだけね、マイノリティーもそうですが、多様性みたいなものを確保できるかということが、ソーシャル・チェンジに耐えていくうえで大事なことではないかなと思いました。 





≪続きはWEBフォーラムで…≫

 

 


 

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