第6回クオリアAGORA/ワールドカフェ/活動データベースの詳細ページ/クオリア京都


 

 


文字サイズの変更

 


 

第6回クオリアAGORA/ワールドカフェ



 


 

スピーチ

ディスカッション

ワールドカフェ

≪こちらのリンクよりプログラムごとのページへ移動できます≫

PDFをダウンロードして読む


 


ワールドカフェ


コメによって政治化された日本の農業は就業者の高齢化もあり、新たな産業としての育成が急務です。 ワールドカフェでは、これからの農業をどうするか? をテーマに話し合いました。 


≪ワールドカフェとは?≫


[ 各テーブルのまとめ ]



●第1テーブル 報告者  西田 光生 (東洋紡総合研究所インキュベーション開発部長)


まず、農業行政で話をしました。 未来を語るには過去を語らないといけない。 日本の農業はどうであったかというと、もっと開放的な、オープンな農業でなければいけないのではないか。 つまり規制が多すぎたんやと、随分意見が出ました。 それで、未来はどうなるかということなんですが、新しく農業をはじめるのは、実際難しい。 農業人口がどんどん減っていくなかで、コミュニティー自身が複雑化し、よそからさっと入っていけるようなところでなかったりしているのではないか。 そういう状況の中で、キーワードとして出てきたのは「地産地消」。 京都も勿論、全国各地で地産地消を広めていくことが大事だろうと。 


あと、やはりお米で議論が白熱しました。 随分大事なものなんですが、現在では、スピーチで佐藤先生がおっしゃったように、そのままで美味しいお米の味も食べ方もわからなくなってきている。 そんな消費者の状態では、生産者も力が入りません。 


消費者と生産者がもう一度コメの文化を学び直して行くことが必要で、その時、最近学生が増えているという大学の農学部の役割が大きい。 これが、一応の結論です。 




●第2テーブル 報告者  佐藤 庸介 (新日本理化京都工場事務課長)


結論的にいいますと、製造業がダウンしている中で、農業がいかにして雇用の受け皿となるかということです。 最後は農業しかない。 これがひとつ。 農業の発達のないところで工業の発達はなかったといことを考えると、工業の発達している日本がもっている力は大きく、農業に帰りやすい。 製造業が蓄積した力を、農業の未来に活用できる。 あと、ちょっと差し障りがあるが、昔は有効に機能していたJAとかなんとか委員会というのが、いろんな日本の農業問題を歪めているのではないか。 そうしたシステムが今の時代に合っていないのを、どう変えていくかが大きな問題ということが浮き上がりました。 


あとは、企業の参入をどう促すかということで、自国分の食糧は自前でまかなうのがベストで、産業として考えれば、いかにブランド化するか。 日本製品は安心が大きな力になるので、それを武器に高く買ってくれる農業を目指すのがアイデアではないかというのが出てきました。 


そして水です。 日本は、とても無駄遣いしているので、考えないといけない。 世間でいわれている人口問題も食糧、土地の不足もほんとに正しいのか、切り込んでいくべきだという意見もありました。 







●第3テーブル 報告者  内崎 直子 (大阪ガス近畿圏部)


ひとつキーワードとして出ましたのが、農業の未来を考える中で、消費者に「食を楽しむ」というところが欠けているのではないか。 どうして楽しむかということで、上がってきたのは、「行事食」ですね。 旬のものを楽しむ、とか文化と農業をセットで提案していくなどが具体例として出てきました。 それと、調理を楽しむという提案もありました。 料理は主に女性が行っていることが多いですが、男性がやれば料理をする人が2倍に増え、そうなると食への考え方、農業に対する男性目線のいろいろな意見も出て農業への刺激になり未来につながるのではないかという意見も。 


後は、農業自身がいろいろな規制の中にあって、まだまだ未整備のところが多く、その分、可能性は大きくて大規模な企業などと連携し若年層を取り込むとか、農学部の振興などによって、農業の明るい未来につながっていくんではないかという意見でまとめました。 




●第4テーブル 報告者  山本 勝晴 (浄土宗西山深草派 僧侶)


農業の未来を考えるということで、まず現状を考えてみました。 それで、いいのか悪いのかわからないが、このままでは先が細っていくんじゃないだろうかということになりました。 それならどうするかというと、変わっていくしかない。 農業が変われば宗教も国も変わるが、じゃあ、どう変わればいいか。 一つはブランド化、もう一つは大量化という二つの考えなんですね。 


山極 寿一 (京都大学大学院理学研究科教授)


本来、農業の目的は、国民をどう食わすかという国家政策にあったわけですよね。 それが今は、インターネットを通じ、農家が直接売ったり、あるいはレストランとかが食材を直接農家から入手して料理を売り出すようになっている。 ブランド化というのは、つまり、農家もいろんな商売が可能になっている。 商売も含めた三次産業のニュアンスも含めた事業主になれる可能性があるということです。 


山本


ほかに大規模化の必要性や自立、ブランド化の中で日本的なものも残す大切さも出ました。 あと、ニートが昨今の問題ですが、こういう人たちを農業に送り込んで、土と自然にふれさせるというのはどうかという意見や、大学が積極的に農業へ優秀な人材を送り込むことも考えるべきではないかという意見もありました。 






終りに...



≪MC≫

ありがとうございました。
いろんな提案があったと思いますが、最後に佐藤先生からコメントをいただきます。 



佐藤 洋一郎(総合地球環境学研究所副所長・教授)


農業の未来ということで、また暗くなるなあと思っていたんですが、こんなに明るく農業を語れる人たちがいるのかとびっくりしました。 


それなのに、なんで日本の農業は暗いのかとこのギャップに考えさせられるものがあります。 


いろいろな意見を伺え、これから私の研究室でも農の問題を考えていこうと思っていますので、大変得をした思いです。 随分元気をいただきました。 ありがとうございました。 


 


 

前へ

次へ

 



前の画面に戻る


 

Tweet 


閲覧数:017124

 

 

facebook area

 

 


 

クオリア京都とは?

人間ひとりひとりの深く高質な感性(クオリア)に価値を置く社会、これは各人の異なる感性や創造性が光の波のように交錯する社会ともいえます。
京都からその実現を図ろうと、各種提言や調査、シンポジウムなどを開催した京都クオリア研究所ですが、2018年に解散したため、㈱ケイアソシエイツがその精神を受け継いで各種事業に取り組んでいくこととなりました。
クオリア社会実現に向けての行動を、この京都から起こしていきませんか?

 

京都クオリア塾

 


 

 
 

 

 

京都から挑戦する“新”21世紀づくり/クオリアAGORA

 


 

Get Adobe Reader


 



  Site Map